Angra Japan Tour 2025 @ EX THEATER ROPPONGI
今回会場着いたのがギリギリでEXシアター入り口のあの写真が撮れませんでした。場内は撮影禁止だったので今回は写真なしです……(ブログ的に)寂しい。ただたまにいるずっとスマホで演奏を撮影してる人を見ると興覚めするのも事実で、撮影禁止にすんなよって言いたいわけではないです。モッシュダイブ禁止のアナウンスと同じように捉えていただろう人もいて、そういう文化が出来上がってしまっているところはなかなか難しいですよね。レギュレーションしっかり守らせたかったら会場でアナウンスするんじゃなくて事前に、できればチケット売り出すタイミングでアナウンスすべきじゃないかな、とかは少し思ったりしました。
で。ブラジルのヘヴィメタルバンドAngraとの出会いはCarry Onという楽曲でした。当時Xが大好きだった私が、そのXに影響を与えたと言われていた(ように記憶しております……違ったらすみません)Helloweenを聴いた時に「スピードが足りない」「シリアスさが足りない」と感じておりました(今ではHelloweenは良い楽曲も多いですしパワーメタル、スピードメタルを生み出したオリジネイターとして重要なバンドと考えております)。そんな時に私にとって理想的なスピードメタル曲Carry Onと出会い、1stアルバムでNever Understandという異国情緒のある素敵な楽曲を知り、その後2ndアルバムを発売日に買ってトライバルな音楽とヘヴィメタルの融合に興奮したことを今でもよく覚えております。入り口はスピードメタルだったんですけど、今思うと結構早い時期から彼らのスピード以外に魅力を感じていたんだなって思います。
そんな彼らは残念ながら今年の8月で活動を休止することを宣言しており(最新盤とか良かったのにな)、今回の来日を観なかったらもう二度と彼らのライブを観れないかもしれない……ということで観てまいりました。といいつつ、実は彼らのライブを見るのはこれが2回目だったりするのですが(前回観たのは2007年のBlind Guardianとのツアーで、Fabio Lioneの歌うAngraは今回が初めて)……ライブハウスに足を運ぶようになった頃には好みも変わってもう少しエクストリームなメタルを好むようになってたこともあり。
前置きが長くなりましたが最初の曲としてCrossingのSEが流れてきた時にそのあたりを思い出しまして。続いて演奏されたNothing To Sayは、ファビオの歌がのAndre Matosと違うからこそ、今のAngraの演奏として懐かしくも新鮮に感じました(ライブ盤でファビオの歌も聴いてはいたんですが、生で聴くと感慨深いです)。
続くAcid Rainは、私がずっとAngraで一番好きと言い続けてきた曲であり(最近になってまたCarry Onこそ最高だって思うようになってたりもするのですが)、18年前に代々木で聴きたかったけど聞けなかったこの曲をようやく聴けたとこれまた感慨深くなってしまいました。この曲の大仰な雰囲気と印象的なギター、そして美しいヴォーカルラインはスピード以外のAngraの魅力をとても感じさせてくれて良いです。ヴァースを歌い始める前にすでに優勝してしまう、ヘヴィメタルとはこれだと言いたくなるイントロ(リード→ツインリード→リフ→Voがハイトーンで「うぉー」)を聴いただけで、今日は来てよかったと心から思いましたよ。
そして今回のメインコンセプトとなる5thアルバム「Temple Of Shadows」の全曲演奏。このアルバムは人によってだいぶ評価が違うなって感じているアルバムで「他のどんなバンドよりも早くてメロディアスなメタルを演奏するAngra」を好きな人は1stと4thの曲をもっと聴きたかったんじゃないかなと。5thはアルバム全体で一つの物語を表現しているので、そのためか他のアルバムに比べて突出した曲が無い印象でもあります。曲というよりも、曲の中で登場する様々な場面に魅力がある作品で、だからこそまとめて全部演奏する今回のコンセプト、私は嬉しかったです。
アルバムと同じ曲順で披露されていく曲たち、どの曲も楽しかったですが、ちょっと雰囲気の変わるWishing Wellが印象に残っています。この曲のファビオの歌良かったな。The Shadow Hunterのイントロのアコギも良かったなー。今となっては唯一のオリジナルメンバーとなってしまったRafael Bittencourtが歌う場面も度々あって、彼の歌があることで変わっていないAngraを感じられるところも良かったです。どの曲だったけかな、ラファエルの歌をファビオが低い声で支える場面があって、あれがとっても聴いていて心地よかったです。ファビオの歌声、低い声から高い声までどの音域も魅力的で、一番高いところのハイトーンとか3夜連続の3日目の歌とは思えない力強さがあって、スタジオだけでなくライブでも良いシンガーですね。Sprouts Of Time(アコギソロ最高だった)も感動したなあ。この曲は単体で聴いても素敵なんですが、Winds Of Destination(この曲も良かった!)の後に演奏されるととても沁みる。
最新アルバムから演奏されたVida Secaも素晴らしかった。昔の曲を歌いこなすファビオも良いですが、ファビオが歌うために作られた曲はより自然に格好良い。雰囲気のあるアコースティカルな入りからヘヴィなギターが入ってきて、コーラスは伸びやかなファビオの歌をたっぷり聴かせてくれる。
ラストのCarry OnとNova Eraのメドレー、Carry Onは嬉しいけど最後まで聴きたかったって声はあったんじゃないかと思いますし、私も同じ気持ちではあるんですが。でもライブ盤で聴いた時にファビオは素晴らしいシンガーだけどCarry Onはちょっと合わないって印象を今回覆されました。多分Carry Onを最後までちゃんと歌えるのはAndre Matosだけだったんだと思うんですよね(残念ながら私はライブでのアンドレを知らないのですが)。ラストのあの転調はエグいって。そこを回避することでこれだけ魅力的なCarry Onを聴けたのだから、素直に演ってくれたことに感謝です。Nova Eraに本当にスルっと繋いだのも面白かったですよね。
結構前からファビオのAngraは気になっていたんですが、活動休止前にに観れて良かったです。キコのいないAngraなんて……みたいな声も聞こえてきましたが、楽曲が良いので個人的にはキコがいないAngraに物足りないみたいな感想はないですし、楽しそうに演奏するラファエルが観れて、あのファビオの歌であのAngraの楽曲が聴けて、とても素敵な夜になりました。ありがとうAngra、またいつか戻ってきてくださいね!
Setlist:
01. Nothing To Say
02. Acid Rain
03. Tide Of Changes
04. Intro/Spread Your Fire
05. Angels And Demons
06. Waiting Silence
07. Wishing Well
08. The Temple Of Hate
09. The Shadow Hunter
10. No Pain For The Dead
11. Winds Of Destination
12. Sprouts Of Time
13. Morning Star
14. Late Redemption
15. Vida Seca
16. Rebirth
17. Carry On/Nova Era