Ave Mujica 5th LIVE「Nova Historia」 @ LaLa arema TOKYO-BAY DAY2

heavy music,live

2日間同じセットリストだったこともあり、DAY2に関しては配信アーカイブ観て記憶を補完しながら書かせていただきます。

まずは0曲目(エントリー最後のセットリストはDAY2後にDiggy-MO’さんがポストした内容に準拠して書かせていただいております)のベートーベンのピアノソナタ第14番の第一楽章。DAY2は冒頭ピアノに寄りかかって寝ている?オブリビオニスというパフォーマンスから始まったのが良かったですね。たっぷり貯めてからゆっくり、少しずつ演奏を始めたのは豊川祥子というキャラクターの葛藤を表現していたりるすのでしょうか。セットリストは同じでしたが、DAY1はシンプルに音楽を聴かせる、DAY2はより作品の世界観を観せる、という違いがあったのかな、なんて感じております。

1曲目の「Crucifix X」について、DAY1のエントリーでスタジオ盤と違った雰囲気と書いたのですが、オルガンの音も同期で流してるじゃん、って気付いてでは何が違うの?ってちょっと考えたんですよね。そう感じた理由、生演奏の存在感だと思います。同期流してるけどそれに頼ってないからピアノの音が前面に聴こえるのがたぶん大きい。Ave Mujicaの楽曲の魅力の一つはピアノかオルガンの音がわりと全編で鳴っているところにあると思っております。そして今回グランドピアノを使ったことで、低温鍵叩いた時の響きとかエグいんですよね。この曲だとギターソロの後のパートとかわかりやすいです。あと、ライブで聴いてそれまでわかってなかった曲の良さを発見することってよくあるんですけど、この曲のサビのベースライン、美しいですね。それから……スタジオ盤でもとっても好きなラストの「顔のないマリア」って歌詞のとこ、DAY2の歌唱がとても好きです。

引きずるようなユニゾンパートで終わる「Crucifix X」の次の曲が「Symbol II : Air」という選曲の素晴らしさも改めて触れておきたい。軽快なピアノから始まるのがとても印象的。この曲もグランドピアノで続けたの大正解だと思います。高尾さんの表情が1曲目と全然違うのも印象深かったです(1曲目眠そうでしたよね)。

3曲目の「DIVINE」はDAY1のエントリーではサビのドラムがいいって書きましたけど、Bメロのキックもとても良い。ノリの良い曲でメジャー感強いの彼女らの曲としてはちょっと新しい感じがしますよね。ベースとピアノと歌だけのパートがあって、そこがすき。ライブでのAve Mujicaのベースのサウンドメイキング良いっすよね。歪ませ加減が絶妙。タイアップっていう側面からこうなったと思われるこの曲調、Ave Mujicaに私が求めるものとして許容できるかはギリギリのラインだと思ってたりもするんですけれど。

4曲目の「Ether」についてDAY1のエントリーでは触れていなかったんですが、この曲が聴けたのも嬉しかった。Zepp横浜では聴けなかった曲なのもあり。Symbolシリーズは1曲ずつ順番に公開されたこともあり、アリストテレスが提唱した第五元素をテーマにしたこの最後の曲の壮大なテーマはちょっとプログレッシブなところに足を突っ込んでいて面白いなーと。佐々木さんが弾いた最後のアルペジオの音がスタジオバージョンよりもずっと印象に残っております。DAY2は有難いことのアリーナのわりと中央寄りだったので、ラストのライティングがとても奇麗に感じました。やっぱりステージは見上げるのが好きです。DAY1の席もけっこう前の方のスタンド席だったこともあり、ステージが良く見えるって意味ではとても満足できる席でしたけどね。

5曲目の「Ave Mujica」は、個人的には彼女たちを知らない人には最初に聴いてほしいと思っている曲だったりするんですが、今回も素晴らしいパフォーマンスで観せてくれました。冒頭のドロリス(佐々木さん)の「……ようこそ。Ave Mujicaの世界へ」という台詞の前にすでに自己紹介が終わっているのがとても好き。本当にこのイントロ秀逸だと思います。歌い始めのギターのフィードバックも気持ち良くて、回数こなしてる曲なので安定度が素晴らしい。音数多いパートとシンプルなパートの並べ方がまた良い塩梅で。バックコーラス(Memento mori/Fortuna/Lacrima)も中二病全開で好き。そしてどのパートの歌メロもとても秀逸なんですけど特にサビの歌メロが素晴らしい。佐々木さんの歌声がまた実にマッチしていて、かつDAY2は今までで一番伸び伸びと歌っているように感じられました。ここから高尾さんはグランドピアノではなくオルガンとキーボードのいつものスタイルに変えたんですが、ずっとグランドピアノ弾き倒すのもカッコ良かったんじゃない?って意見もわかるんですが(少なからず同じ気持ちはあった)、少なくともこの曲は絶対いつものスタイルで聴きたいんですよね。あと会場ドローンが飛んでるなーとは思ってたんですが、ドローン空撮迫力あって良いです。個人的にはこの曲のこの映像を観ただけでも配信も買って良かったと思っております(あんまりライブのパフォーマンスが素晴らしいんでこのまま忘れるのは勿体なさ過ぎて配信も買っちゃった)。

6曲目の「Choir 'S’ Choir」は、私が彼女たちを好きになったきっかけの曲。そしてやっぱりこの曲はサビの歌メロがとてもキャッチーで魅力的なんですよね。この曲は鍵盤を弾かないパートで高尾さんが手前に出てきて観客を煽るんですが、アニメムジカの祥子のキャラクターを考えるとギャップを感じてとても良いです。今回は改めてこの曲のベースラインの美しさにも気付かせていただきました。

7曲目の「素晴らしき世界 でも どこにもない場所」、スタジオ版はそこまで聴きこんでこなかった曲なんですが、この曲とてもライブ映えしますね。テンポ抑えめで音に隙間があるからこそ、重いパートが映える。Aメロの渡瀬結月さんのギターと岡田夢以さんのベースのユニゾンが心地よいのと、Bメロで動き出すベースライン、そこに重なる佐々木さんのギターの別のフレーズっていう盛り上げ方が良い。ラストの弦楽器隊全員で刻んでるユニゾンのパートの米澤さんのマシーナリーにも感じるドラムも好き(シンバルの叩き方が良い)。

8曲目の「黒のバースデイ」(生産者表記がBlack Birthdayになっていてふふってなった)は入り方がとにかく格好良い(ここだけでなく全般的に曲のつなげ方が巧くて、多くの人が「あっという間に終わった」って感想を言う要因の一つだと思います)。この曲はなんといってもBメロが好き。ここのギター最高です(サビ直前のハーモニクスが大好き)。2番冒頭のブレイクとかも格好良いっすよね。DAY2は後半の佐々木さんの入り込み方が素晴らしくて「本当の私を」の台詞からのフェイクが格好良かった。

9曲目の「Symbol IV : Earth」のちょっとツインリードになるところ好き(Ave Mujicaはあんまツインリードやらないっすよね)。4曲ぶっ続けで歌った後この曲はなかなか鬼畜セットリストだと思うんですが、それでも歌い倒す佐々木さんカッコ良かったな。間奏の重いギターリフのところで差し込んでくる不協和音っぽいギターの音も好き。あと佐々木さんがギターでタッピングしながら歌ってる場面があるんですが、あれよく脳がバグらないでできるなーって。これまたZepp横浜では聴けなかった曲だったので、聴けて嬉しかったです。

高尾さんのキーボードソロを挟んだ10曲目の「Symbol III : Water」はピアノと歌だけのシンプルな楽曲で、この曲では佐々木さんがハンドマイクで歌っているのが印象深いですよね。この曲のブレスのマイクへの乗せ方が良いなって。またこの曲は会場左右にあるディスプレイにパフォーマンスするお二人それぞれを映していて、それを含めて観てほしいっていうパフォーマンスでしたね。途中演奏するのをやめて少しずつ向き合ってお互いの顔を確認する……っていうパフォーマンスがあって(アーカイブで確認したら1分以上の無音でした……アーカイブでは削られてたけど思わず拍手してしまった人がいたのも仕方ないと思う)やっぱりDAY2はそういうコンセプトだったんだろうなって思います。

11曲目の「天球(そら)のMusica」はサビのシンバルの音が気持ちいい(クラッシュ叩きまくってる?)。間奏で弦楽器3人が並んで演奏してるパフォーマンスも一つの様式美として良いですよね。2番サビからの流れがパフォーマンス含め美しかった。渡瀬さんのギターのアルペジオの音が奇麗だなーっていうのと、サビ終わりからのツインリードギターがとても素敵。最後アカペラというかオーディエンス巻き込んだシンガロングで終わるのも美しいですよね。

12曲目の「Imprisoned XII」はわかりやすいパワーバラードだけど良い曲ですよね。アニメムジカを観た人と観てない人でおそらく全く違って聴こえるんでしょうけど。ピアノとアコギのアルペジオがユニゾンしてる話はDAY1でも書きましたが、この曲もスタンドマイク歌唱ということがあり、力の入った歌唱に聴き入った曲でした。よくあるパワーバラードだけど、この曲のドラム、ベース、ディストーションギターは魅力的だと思います(特にサビのギターが好き)。

13曲目の「Mas?uarade Rhapsody Re?uest」は弦楽器隊のユニゾンで刻むパートに入るときの「いくよ」がとても好き。ここで3人並ぶのもまたお約束(様式美)パートだと思うんですが、そこがより引き立つ良い一言でした(ってかDAY1とDAY2で3人のフォーメーション違って面白いですのでアーカイブ観れる人は両方観てみてほしい)。そして、ユニゾンからのギターソロ終わった後のサビの入りの「ああもうどうなってもいい」の歌い方がとても好き(DAY2のがいいんよ)。

14曲目の「八芒星ダンス」がやっぱりとても大好き。楽曲としても大好きですし、パフォーマンスとしても大好きです。この曲ブレイクダウンパートからのギターソロ以外はほとんどずっと歌っていて、どのパートも歌メロも歌唱も魅力的なんですよね。重心の低いギターリフも終始気持ち良い(要所のハーモニクスが素敵)。なんかやっぱりこのエントリーも全般的に表現がチープで音に対する理解力も表現力も低い自分が悲しくなるのですが、この楽曲の持つフリーキーな暗黒サーカスみたいな雰囲気をどうやったらうまく伝えられるかなあ。とにかく圧巻の1曲でした。

15曲目のいまだに曲名が秘匿されている曲はDAY1ではサビの畳みかけるような歌唱が印象に残っていたんですが、1番と2番でちょっと構成違う?なところも含めてDAY2でちょっとずつ楽曲への理解が進みました。曲調としてもまたAve Mujicaとしては新しいところ拾ってきたなって思いますし、曲展開がなかなか興味深いなって思っているところではあるんですが(短い時間のなかにいろんな様式を詰め込んでる印象)、やっぱりここはDAY1の衝撃には勝てないですよね(知らない曲でぶん殴られるの大好き侍なので)。

16曲目の「顔」はライブで絶対盛り上がるだろうなって思ってた曲ですが(っていう書き方をしているのは、Ave Mujicaはゴス要素強い曲を好んで聴いている、っていうところがあり)、ギターから解放されてフットワークが軽くなった佐々木さんが(この1曲だからこそはあるけど)アグレッシヴで良かったです。渡瀬さんと岡田さんが背中合わせに弾いてる場面とか楽しそうでいいですよね。DAY1でもアニメムジカでの海鈴のことを少し書かせてもらいましたけど、どこまで考えてやっているかは置いておいて海鈴と睦が楽しそうに演奏してるシーンってのはポイント高いですよ。ついでに書くと、ドロリスのギターパートに目立つパートが割り振られがちなの設定としてリアルで好きです。多分睦ってよくあるギタリストのエゴみたいのがちょっと違う方向に発露するタイプの子で、The HauntedのPatrik Jensenみたいなポジションを与えられたキャラクターだと思うんですよね(いやこれ私の妄想なだけかもしれませんけど)。

17曲目の「KiLLKiSS」はDAY1の感想で書いたことがだいたい全てではあるんですが、この楽曲の歌詞と歌メロは改めて秀逸だなーと思います。とてもキャッチー。

18曲目の「Symbol I : Fire」は、個人的には彼女たちを知らないメタラーには最初に聴いてほしいと思っている曲だったりするんですが、この曲がラストだったことは、Ave Mujicaのショウである印象よりもヘヴィメタルのショウである印象を優先させるためだったりしないでしょうか?全くMCやらずに終わったところとか、パイロとか、私はRammsteinのショウを思い出しましたよ(彼らが日本でいつパフォーマンスしたかを考えると年がバレそう)。この強靭な曲をオーディエンスに歌わせながら終わったことが、私への印象をこれまで観た2回の彼女らのショウと違った印象にしてくれた大きな理由に思います。

1stの時は悪くないねってスタンスでしたけど、今回の印象は「素晴らしいショウだった」につきます。最高に楽しい時間をありがとうございました。


Setlist:
00. 月光

01. Crucifix X
02. Air
03. DIVINE
04. Ether

05. Ave Mujica
06. Choir 'S’ Choir
07. 素晴らしき世界 でも どこにもない場所
08. Black Birthday
09. Earth

10. Water
11. 天球のMusica
12. Imprisoned 12

13. Mas?uarade Rhapsody Re?uest
14. Octagram Dance
15. (曲名未公開)

16. 顔
17. KiLLKiSS
18. Fire

Posted by die