Loud Park 2025 @ さいたまスーパーアリーナ

heavy music,live

2023年のLoud Parkに行かなかったことを後悔していました。あれが最後にならないで良かった。今回参加できて本当に嬉しかったです。

アーティストの撮影禁止とのことで写真はこれだけ。朝9時には会場着いてたんですが、物販が思ったよりも時間かかっちゃって残念ながらオープニングアクトのPhantom Excariverは観れず。それ以外は移動のために最初や最後の曲が聴けなかったケースもありましたが、観れる限り観ました。だいぶエクストリーム方面に集中したラインナップでしたが実際聴くと全てのバンドで違った個性があって、最後まで飽きることなく楽しめました。

まずはView From The Soyuz。このバンドの存在を知らなかったのですが、参加のアナウンスを見てYouTubeで何曲か聴いてひそかにかなり期待していました。北欧デスを感じるトレモロリフとか、ヨーテボリを感じる耳に残るリフとかを近代メタルとして再構築しているようなサウンドは演奏スキルも高くて存在感があって、特に4曲目のBlack Rosesと5曲目のVitrail Cassé(Opus No.24)は素晴らしかったですね。最後の曲は諦めて移動したんですが、もっと彼らの音楽をじっくり聴きたいという気持ち。リードギターの扇情力は彼らが一番だったかも、なんて思っております。

Ulma Sound Junctionは聴き始めて2~3年、ライブ観たいと思いつつ今回ようやく観ることができたんですが、あの難解な楽曲をライブでも自然に演奏しててとても気持ち良かったです。Sikthから影響受けたって聞いて納得しつつ、変拍子ばりばり使いながらもキャッチーで耳に残る歌とメロディが心地よくて。どの曲も素晴らしかったですがあえて書くなら最後のRotten Appleがいちばん印象深かったかなあ。あとHopeless Ravenという曲を初めて聴いたのですがこれも良かった。音源欲しい。音量的にはちょっと控えめにも感じつつ(ちょっと音量上がると耳に優しくなくなるので、ホント調整難しいんだろうなって思ってます……あとはどこで聴くかでも変わっちゃいますし)、全てのパートの音がしっかり聴こえる素晴らしいサウンドメイキングでした。MCで本当はもっとLoud Parkにふさわしいバンドがいるかもしれないけれど……みたいなことを言っていましたが、個人的にはLoud Parkには「多彩なメタルのお祭り」を求めているので、そういった意味で今回いちばんいなくては困ると思っていた存在は彼らだったりします。

Ulma Sound Junctionは最後まで聴きたかったのでSable Hillsは途中から参加になってしまいましたが、3曲目のCrisisを聴いていいバンドだなーって改めて思いました。ラウパ行く前から知ってはいましたけど今の日本のシーンレベル高いですよね。轟然とした音の壁の中からふわっと耳を惹くリードギターが聴こえてくる瞬間が個人的にとても気持ち良かった。お坊さんをステージに呼び込んでのNamuも良かったなあ。この日初披露だったらしく、ずっと追いかけてる人には最高のご褒美だったのでは?と思います。不動明王がテーマとかMCで言ってたような気がしますが、真言からなだれ込むインストパートがウルトラクールだった。

それからCrystal Lake。こんな良いバンドを今まで知らなかったなんて。途中参加にはなってしまいましたが聴けた曲は全曲良かったです。あえて書くなら5曲目のRebirthが特に刺さりました。硬質なリズム隊とギターのキザみ、そしてVoも含めて無慈悲だけどプリミティブなサウンドだなー、なんて思っていると急にエモーショナルなパートが出てきたりしてDV彼氏がたまに優しいみたいな魅力を感じました(表現が酷くてすみません)。私に語彙力がないのでうまく表現できないですが、知らかかったからこその衝撃はこのバンドが一番強かったな。ライティングの演出が非常に奇麗で、それがまたカッコ良かったんだよなあ。ほんと圧倒的な存在感でした。

Orbit Cultureも世界観が強くて惹きこまれましたね。彼らも全く曲を知らず聴いたんですが、1曲目から持ってかれたな。シンプルで無機質なリズムパターンに重心の低いギター、でもデジタル感があるわけでもなくて独特の存在感がカッコ良かった。実際耳に届いた音像は全然違うんですがこう書くとCrystal Lakeとどう違うんだ……って自分でも思ってしまいます。Orbit Cultureはロマンティックだった、かな。やっぱりかなり伝わらない気がしてならない。

Heaven Shall BurnはBlind GuardianのValhallaをカヴァーした時から気になってはいたのですが、初めて手にしたアルバムは目下最新盤のHeimatアルバムだったりします。ハードな音像でVoもグロウル主体、なんですがリードギターの湿り方がこの手のバンドの中ではちょっとユニーク、というのが私の印象ですかね。あとカヴァーのセンスがとても良くて、だからこそラストがEdge Of SanityのBlack Tearsだったの、良かったです。リスペクトを感じつつ自分たちの色に染めたカヴァー、私こういうカヴァーに弱いんですよね。あとVoのMarcusが存在感あってカッコ良かったですね。

The Ghost Insideは事前に何曲か聴いた時は今回のラインナップの中では一番私の好みから遠いサウンドだな、なんて感じていたのですが。スタジオ音源聴いた印象とライブでの印象って違うものになることはよくあるんですが、とても良いライブをするバンドだなって。ギターソロがなくたって、自然と体が動くリズムとサウンドには逆らえないんですよね。9曲目のMercyと10曲目のAftermathが良かったなー。曲をちゃんと知ってたらもっと楽しかったはず。後からドラムのAndrewは交通事故で片足を失ったってことを知ってびっくりしました。それでもあんな音が出せるんだ、って。

今回はなんといっても一番のお目当てはThe Hauntedでした。長いこと聴き続けてきた大好きなバンドで、新譜も素晴らしい出来でした。最初数曲ちょっと音量小さ目で、そこが新曲だったのが少し勿体ないなとは思ったのですが、ギターリフの格好良さで聴かせてくれるメタル、最高でした。私が好きなギタリストのトップ3はMichael Amott、Jeff Loomis、Patrik Jensenの3人なんですが、その中の一人リフマスターPatrik Jensenは相変わらずルックスもサウンドも最高でした。

Kerry Kingは、聴けば一発でわかるケリーの音のギターサウンドがとても心地よかった。Where I ReighもFrom Hell I Riseも良かったですし、Raining Bloodが聴けたのも嬉しかったなあ。パイロの演出も良かったですよね。半分スレイヤーとも言えますし、Voが違うことでスレイヤーとの違いもまた楽しくて。The HauntedとKerry Kingはとにかくギターリフが気持ち良くて、安心感のあるパフォーマンスだったように思います。

Bullet For My Valentineは、デビュー当時はそこまで惹かれなかったんですが、改めてファーストの曲を聴いて、彼らがシーンに登場するのがもっと遅ければきっと最初から好きだっただろうな、って感じました。一緒に歌えるほど曲覚えてなかったのであんまり声は出せませんでしたけど(あと正直さすがに疲れてました)、独特の癖がありながらもキャッチーな楽曲は最初から最後まで楽しく聴かせていただきました。

ラストのParkway Driveは凄い盛り上がりでしたね。Knotfest 2023で彼らを観た時は、まったく知らないバンドだけど凄いパワフルなVoを筆頭にスケールの大きいパフォーマンスをするバンドだな、なんて感じていたんですが、そこから聴き始めて今回はある程度曲を知っている状態だったので、一緒に歌えてとても楽しかったです。特にWild Eyesは良かったなあ。パイロも花火も贅沢につかったパフォーマンスも迫力ありましたし、なによりスタジオバージョンよりもずっといい演奏を聴かせてくれるのが素晴らしかった。

今回はだいぶ振り切ったバンドを集めたなって感じのLoud Parkでしたが、運営の意図はとてもよくわかったし、何よりどのバンドも素晴らしい演奏を聴かせてくれて、よくこれだけ良いバンドを集めたな、って思います。昨今の円安もある中なかなかのビッグネームを揃えてくれたのはほんと有難い。願わくば遠くない将来またこのメタルのお祭りが開催されることを心待ちにして生きていこうと思います。

Posted by die