Edu Falaschi & Roy Khan – The Ultimate Power Metal Experience @ Shinjuku ReNY 2025/11/21
Angraの二代目ボーカリストEdu FalaschiとKamelotの二代目ボーカリストRoy Khanという魅力的なカップリングのライブがあり、東京公演を観てきました。
会場の新宿ReNYは外観がこんな感じの円状の建物で、フロアもそのまま半円状で結果前方が横に広く、赤羽ReNYのような大きな柱もないのでどこからでも観やすそうなハコだなー、なんて感じました。
先手はRoy Khan。最後にロイがステージに立つ姿を見たのはいつ頃だったかもう忘れてしまったのですが、ロイがKamelotに在籍していた頃は来日するたびにライブに行っていた記憶があります。あの頃と変わらない佇まいでステージに立つロイを見れただけでもかなり嬉しかったですね。
ロイの歌声は魅力的ですが同時に繊細な声で、序盤少し歌が聴きにくいところはありました(それすら懐かしいという思いも)。序盤6曲はThe Black Haloアルバムからのオイシイところチョイスという流れで、シアトリカルな方向のアプローチとしては一番成功していたアルバムの曲は久しぶりに聴くと各々の楽曲の魅力を再発見できるとともに、やっぱりロイの歌声は唯一無二だなって。特にMemento Moriは大好きな曲だったので聴けて嬉しかった(The Black Haloアルバムのハイライトですよね、この曲)。女性Voと男性スクリーマーのゲストが大仰な曲の雰囲気を盛り上げてくれたのも嬉しかった。
そしてなんといっても。しばらくやってなかった(16年前とか言ってたような記憶)曲をやるというMCに期待が高まる中、ロイが「Karma」って呟いた時は喜びがこみ上げてきました。Kamelotで一番好きだった曲ですが、ネットに情報が出ている最近のセットリストにはなかった曲(Center Of The Universeもですが)で。我々はきっとこういう瞬間のためにライブハウスに足を運んでいると断言したい。何度も聴いた変拍子のブリッジ、バックバンドの演奏もわかってるって感じで(コーラスのカウンターのリードギターとか美しいんですよねこの曲)素晴らしかった。ロイが歌うこの曲がまた聴けて感無量でした。
それから。Karmaが終わって一度下がったあと、アンコールに応えて戻ってきたロイが着ていた衣装が格好良かったです(たぶんノルウェーの民族衣装がモチーフなんじゃないかと)。

アンコール1曲目はMarch Of Mephisto……The Black Haloアルバムのオープニングナンバーなんですが、終盤の掛け声をみんなで拳を突き上げながらやるのが楽しくて、アンコール曲としても優秀ですねこの曲。
そしてアンコール2曲目として披露されたForeverもまた、当時のKamelotのライブで一番盛り上がる曲だったので嬉しかったですね。 ペール・ギュントのソルヴェイグの歌を引用したメロディが印象的なこの曲、イントロのリードギターのフレーズをみんなで歌うのも楽しかった。曲間のシンガロングパート(ロイが歌ったメロディをフロアが追いかけるやつ)も名物だったんですが、そこでロイが口ずさんだのがまさかのXのEndress Rainってのが面白かった。これがForeverの世界観に実にマッチしていて、とても良い雰囲気で終わったのが印象に残っています。
そしてEdu Falaschi。エドゥは最近もソロでの来日公演などありましたが、私が前回観たのはBlind GuardianとAngraのカップリングツアーの時だったので……ロイと同じくらい久しぶりでした。エドゥもやっぱりあの頃から変わらない、あの陽気というか可愛らしいともいえるステージでの振る舞いが懐かしかったです。よくある海外バンドのMCよりも「ありがとうございます」のレパートリーが多いのが実にエドゥ。
エドゥのセットリストも序盤はTemple Of Shadowsアルバムの曲で固めてきましたね。6月に観たファビオのAngraのエントリーにも書いたのですが、人によって評価が変わるアルバム、というのが私の印象です。尺もあってさすがに全曲は無理だったのか(でもWishing Wellは入れてほしかった!)3曲ほど少ない披露でしたが、楽曲の魅力をよくわかっている演奏ではありましたが、演奏する人たちが変わると同じ曲なのに感じる印象が違う場面も多くて面白かったです。エドゥはところどころ歌うのキツそうな場面もありましたが、アルバムで聴きまくったあの歌声なので、脳内で補完余裕といいますか(そこがファビオのAngraとの違い(笑))。
そして。ブラジルでは聖闘士星矢が国民的人気作品で、しかもエドゥがポルトガル語でペガサス幻想をカヴァーしていることもあって、セットリストに入ってくることは予想通りでした。ですがMCで山田信夫さんの歌を歌う、という紹介をしたのが熱かったですよね。しかも歌い出しは日本語バージョンで。サビの「聖闘士星矢」のところの歌いまわしがエドゥバージョンは独特なので、フロアの合唱とちょっとあってなかったのはご愛敬、という感じですがブラジル人の彼らがこうやって日本の楽曲を楽しそうに演奏してくれるのはとても嬉しかった。

エドゥのセットリストで一番感動したのはアコギを弾きながら披露してくれたRebirthでした。序盤の静かなパートの歌声、私はエドゥのこういうパフォーマンスが好きなんですよね。後半はだいぶパワーのあるパートになっていくわけですが、それもヘヴィメタルの様式。怒涛の演奏の後、最後は静かに終わるのも美しい曲です。
ラストのNova Era、エドゥのAngra時代の一番強い楽曲。この日のコンセプトならやはり最後はこの曲ですよね。6月に本家Angraではメドレー形式だったので、ちゃんと聴きたかった派(私含む)は大満足だったんじゃないかと。
先月はさいたまスーパーアリーナでモダンなメタルをお腹いっぱいになるまで聴いてあれもとても楽しいお祭りでしたが、オーセンティックなパワーメタルも本当に良いものです。こういうコンセプトだからこそ、セットリストが盛り上がるしかない選曲だったのも嬉しい限り。楽しい一夜でした。
Roy Khan setlist:
01. When The Lights Are Down
02. Soul Society
03. Moonlight
04. The Haunting (Somewhere In Time)
05. Abandoned
06. Memento Mori
07. Center Of The Universe
08. Karma
09. March Of Mephisto
10. Forever
Edu Falaschi setlist:
01. Spread Your Fire
02. Angels And Demons
03. Waiting Silence
04. The Temple Of Hate
05. The Shadow Hunter
06. Winds Of Destination
07. Sprouts Of Time
08. Late Redemption
09. The Glory Of The Sacred Truth
10. Bleeding Heart
11. Pegasus Fantasy
12. The Ancestry
13. Rebirth
14. Nova Era

