The Halo Effect Japan Tour 2025 @ Toyosu PIT 2025/11/26
その昔Göteborg Soundと呼ばれた音楽がありました。In Flamesや2月に来日していたDark Tranquillityを代表とするメロディック・デス・メタルと呼ばれる音楽です(もっと遡るとAt The Gatesも)。そのIn Flamesの初期メンバーを中心に結成されたThe Halo Effectの来日公演を観てきました。

SNSでThe Halo Effectのサウンドが控えめだ、ってポストをいくつか見ましたがSable Hillsの音がデカかったことが余計その印象になっていると思います。普段とは違うタイプのオーディエンスの前でオープニングアクトとして30分程度の短い時間の中でうまくハコを温めてくれたSable Hillsですが、サウンドだけで言えばギターの音が聴きづらくて、この日の客が好きな扇情的なリードギターの魅力をスポイルするサウンドだったように思います。正直Loud Parkの方がいいサウンドで聴けたなと。サポートという立場上制約はあったと思います。シンプルにオリエンタルでアグレッシブなNamuは最高でした。Namuは轟音がただただ気持ち良かったです。
The Halo Effectの演奏が上品だ、ってポストもいくつか見ました。控えめの音量ではありましたが、でもだからこそバランスの良いサウンドメイクでギタリスト二人のキャリアに裏打ちされた存在感のあるギターサウンドを存分に楽しむことができました。そのため「お上品」という評価に含まれるネガティヴな側面を否定したくて。全ての楽器(Vo含む)の音を奇麗に聴かるサウンドメイクをしたからあの音量になったのでは?というのが私の推測です(素人考えですけどね)。余談ですがラインそのままPAに流す今風のスタイルだと最前中央は両サイドのスピーカーが遠くてドラムの音だけクソデカい、みたいなポストも見かけて参考になりました(豊洲PITは広いから余計そうなるんでしょうね)。スタンディングの会場でどこに立つのが正解かは、ライブに求めるものは何かで確実に変わってくるんですよね。答えを知るにはたくさん、いろんなハコでライブを観るしかないように思います。
The Halo Effectの楽曲は、初期のIn Flamesが好きだった人からすると物足りないところはあるんじゃないでしょうか?Behind SpaceやStand AblazeやJotunみたいな曲はありませんから。でもおそらく、これまでのキャリアを経て彼らが作りたかった音がこれなんだろうな、と思っております(この辺りも「上品」という言葉がチョイスされた理由と思います)。そんな曲たちをライブで聴くと、かなり印象が変わる。アルバムで好きだった曲もそこまで好きじゃなかった曲も、一つ一つの音が自然に耳に体に入ってくるんです。ことライブにおいて、演奏によって楽曲の魅力って大きく変わるんだなってあらためて感じました。
ライブ全体が一つのパフォーマンス、という感触が大きいですがその中でも個人的に特に盛り上がったパートは、デジタル風味の強いBecome SurrenderからWhat We Becomeの流れ。What We Becomeのギターリフがとても大好きなんですが、やはり好きな曲を生演奏で聴けるのは本当に楽しい。演奏の質が高いならそれはなおさら。終盤のDays Of The Lostも良かったな。
随所の曲で、歌ではなく(だってデスメタルですもの)リードギターのフレーズで合唱が起こるのもこのスタイルのライブならでは。あれがまた楽しいんですよね。終演後もBGMのCoda(2ndに入っていたインスト曲)のメロディを歌う歌声がずっと続いていて、とても良い雰囲気でおわったライブでした。
setlist:
01. March Of The Unheard
02. Feel What I Believe
03. In Broken Trust
04. The Needless End
05. Detonate
06. Conditional
07. Cruel Perception
08. A Truth Worth Lying For
09. Become Surrender
10. What We Become
11. Between Directions
12. Gateways
13. Last Of Our Kind
14. Days Of The Lost
15. Shadowminds