ももたろう
むかーし、むかし、あるところ、おじいさんと、おばあさんと、ガリレオ・ガリレイが住んでいました。
おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に、ガリレオ・ガリレイは天体観測に行きました。
おじいさんは芝を刈りながら考えます。
(芝を刈ることで何か我々の生活に貢献するようなことはあるんだろうか……)
おばあさんは洗濯をしながら考えます。
(おじいさんがちゃんと働いてドラム式の洗濯機を買ってくれればいいのにねぇ……)
ガリレオ・ガリレイも考えます。
(昼間だと星が見えませんね……)
そんな折、川の上流から、どんぶらこ、どんぶらこ、と桃が流れてきました。
おばあさんはびっくり仰天大慌て、急いでおじいさんとガリレオ・ガリレイを呼んできました。
3人は話します。
おばあさん「ねえあんた、桃だよ、でっかい桃だよ」
おじいさん「ああ、でっかい桃だな」
ガリレオ・ガリレイ「あれは天文学的に言っても桃ですね」
おばあさん「時に、どんぶらこ、っていう表現は実際に音に出したらどんな感じになるのかね」
おじいさん「文学的に言っても随分と斬新な表現だが、実際に音に出すとなるとちょっと難しいな」
ガリレオ・ガリレイ「天文学的に言っても難しいですね」
おばあさん「そうか、ガリレオさんにも難しいか」
おじいさん「ガリレオさんにも難しいんじゃ、おじいさんには無理だなぁ」
ガリレオ・ガリレイ「お役に立てずすみません」
おばあさん「いいんだよ、ガリレオさんは天文学者だし、文学のことはあんまりわかるまい」
おじいさん「そんなことより腹がへった。みんなでステーキでも食いに行かないか?」
ガリレオ・ガリレイ「いいですね。私、おいしいお店を知ってるんですよ」
おばあさん「じゃあ、さっそく行こうじゃないか。久し振りだねぇ、ステーキは」
3人はステーキを食べに行きました。
めでたし。めでたし。