狂動戦線(Unlucky Morpheus/Imperial Circus Dead Decade)@吉祥寺CLUB SEATA

heavy music,live

あんきもとICDDという非常に魅力的な対バン企画があったので行ってきました。

先攻はあんきも。

曰く「闇あんきも」とのことで、対戦相手のICDDを意識してかダーク&ヘヴィ系の曲中心のセットリストが非常に魅力的でした。1年前に初めて観た時も思ったのですが、このバンド本当に巧い。単純に巧いって書くと巧いにもいろいろあるんですが、エクストリームな音像においてきちんと全部の楽器が何を演奏しているのかをオーディエンスに届ける技量が本当に高いんですよね。そのうえで今回本当に選曲が私好みで。

もう全曲好きな曲しかなかったんですが、前回は聴けなかったUnending Sorceressが「あの衣装で」観れたのがまず最高でしたし、新曲「TRAUMATA」がめちゃくちゃ好みの曲でした。

それ以降も好きな曲しかなかったんですが、籠の鳥(この曲本当に素敵なのでいろいろな人に聴いてみてほしいです)以降ラストまでがかなりオーバーキル。奇子は彼らの曲の中でもかなり上位に好きなんですが、立ち位置が特殊な曲なのでまさか聴けるとは思っていませんでしたし、2ndの中でも特にプログレッシブなAngreiferも聴きごたえがありました。そしてLa voix du sangもBlack Pentagramも、ありそうでなかなかない彼らにしか表現できない曲を最高の演奏で聴かせてくれました。

最新アルバムとかわりと多彩で、いろいろな方向にアピールできるポテンシャルを持っているバンドですが、ICDDと共演という巡りあわせが良かったと思うんですが、もう本当にこういう楽曲だけやっててくれてもいいよって思ってしまう、本当に私好みの楽曲と演奏でした。

対するはICDD。

彼らはわりと最近、「獄」のMVを観て好きになった存在なんですが。所謂ヴィジュアル系のヴォーカルスタイルを受け入れらるか否かでかなり評価が分かれるバンドだと思うんでが、私はXからメタルに入ったクチなんで全然アリ。むしろ、ヴィジュアル系の耽美的なヴォーカルスタイルを突き詰めた感のあるリブユウキさんの歌は、ダメな人は絶対ダメだろうけど好きな人には他にない魅力を感じる歌だと思います。ってか私はこの上なく彼の歌が好きです。

何かにインタビューでDIR EN GREYに影響を受けたって語っているのを見たことがあり(私はXというかYoshikiファンなので、DIR EN GREYもデビュー当時から知っております)なるほどと思いつつも、私的にはICDDの方がずっと好みです。たぶん違いは楽曲のスタイルなんだろうなあ。おそらくDIR EN GREYにはゴシック要素が足りない(だからこそ良い、というのも理解(わか)ります。好みの違いです)。

ドラムもブラスト多用しますしだいぶエクストリームな曲調なので、ちょっとギターの音が埋もれがちだったのが残念ではあるんですが(確実に巧いのはわかりましたが・・・音のバランスがちょっと・・・あんきもの後というのがツラかったとは思うし、音楽性的にも難しい音なんですが)やっぱり曲が好みなので、シンプルに楽しめました。女性Voの方はもしかしたらパーマネントメンバーじゃないのかな?という感じではありましたが、男女ツインVoスタイルは楽曲の良さをとても引き立てていたと思います。

あとここが重要なんですが、彼らの足元にあったセットリストにはアンコール曲が書かれていないんです。アンコールやるかどうかは半々だった、みたいなMCをしていましたが、客が求めたからもう1曲演る、という実に美しいアンコールでした。アンコールって本来そういうものだと思うんですよね。

そんな感じで、ICDDに関してはちょっと不満もあったのですがそれ以上に可能性も感じました。

いい対バン企画だったと思います。あんきもも、ICDDも、もっと聴きたい。機会があればまた彼らのライブに足を運びたいですね。

Posted by die