Ave Mujica 1st LIVE「Perdere Omnia」@横須賀芸術劇場

heavy music,live

「バンドリ」というガールズバンドを題材にしたアニメやゲームのメディアミックスプロジェクトがあり、実際にライブでは声優さんが楽器演奏もしているのは私が説明するまでもないですが、その中の1バンドであるAve Mujicaのライブを観に行ってきました。1stと冠していますが去年0thと銘打って中野で単独公演を実施しているので実質2回目ではあるのですが(その0th公演でアリプロのカヴァーをやった、っていう情報が私が興味を持ったきっかけです)。

70分程度でMCなし(おそらくは録音ボイスによる寸劇はあり)アンコールなしの内容のため正直もう少し聴きたかったという感想にはなるんですが、ここまで思い切った見せ方は私的には「アリ」で、次のコンサートもチケットとれれば行ってみようかなと思っているくらいです。アンコールに関しては本当に「よくやった」と思っていまして・・・必ず行われるアンコールなんてもはやそれセットの一部であって、それなのにオーディエンスにアンコールって言わせるの滑稽じゃないですか。

ちなみに音楽性はゴシック要素強め、7弦Gt2本(1人はメインVo兼任)、5弦Ba、ピアノとオルガンに特化したKb、ツーバスDrの5ピースバンド(ヴィジュアル重視でツインペダルではなくツーバスなのが良い)。メタルって言うほど刻み系ギターが前に出てるわけじゃないですが、普段からヘヴィ系を好んで聴いている耳にも馴染むサウンドです。Voが特に好みで声質が実に音楽性にマッチしていて素晴らしいんですよね。横須賀芸術劇場はどちらかというと観劇とか向けの会場で、音楽性とはアンマッチなんですがそこは世界観重視で箱選んだんでしょうね。でも音作りはけっこう巧くて、実際はスタジオミュージシャンが演奏しているスタジオ版よりも若干ラフで重心低めのサウンドメイクは最後まで心地よく聴けました。

演奏された曲はカヴァー3曲含む11曲。カヴァー曲は昨年中野で行われた0thでも演奏されていたもので、持ち曲と同じ扱いなんでしょうね。私もそのカヴァーで惹かれたクチですし、うまい戦略だと思います。持ち曲としては0thでも演奏したミニアルバムの6曲とすでにMV公開済の2曲で、全曲やるであろうことは予測できたところなんですが、曲の並べ方によって0thとは違ったコンセプトを感じ取れるセットリストは良かったですね。特に1曲目にセルフタイトルナンバーAve Mujicaから始まって、CDのリーダートラック黒のバースデイから最新曲のAnglesの流れで終わるのが良かった。AnglesはMV公開時はそこまで印象残らなかったんですが、ライブで印象変わりましたね。

Ave Mujicaの大きなポイントは、演奏をする彼女たちはミュージシャンではなく「声優」(「役者」の方がよりしっくりくるかもしれない)ってところだと思っています。自分たちで音楽を作る「バンド」はメンバーの主張がぶつかり合って音になっているケースが多いですが、彼女らの場合は曲は別の誰かが作って、演奏をする「役」を与えられている「演劇」に近い感触があって、それが他にはない魅力になっているんですよね。

そんなわけで彼女らの物語の続きを私はとても楽しみにしております。

Posted by die